体育の授業での体力測定の際など、日本では誰しもが一度は経験したことがあるとは思う50メートル走ですが、これだけ測定することがあるにもかかわらず陸上競技の大会では種目に50メートル走は含まれていません。これは一体なぜなのでしょうか?
今回はなぜ陸上の大会の種目に50メートル走がないのか、50メートル走 世界記録と日本記録について解説していこうと思います。
なぜ陸上の大会の種目には50メートル走はないのか
現在、世界で陸上競技の種目となっている短距離種目は、100メートル走、200メートル走、400メートル走になっており、50メートル走は含まれてはいません。
調べてみると、50メートル走は人の足の速さを測るには短すぎるからという理由であることが分かりました。50メートルの距離だとスタートダッシュをする瞬発力でほぼ決まってしまい足の速さを測るというよりは瞬発力を測っているといった形になってしまうそうです。
100メートル走は人の足の速さを測るにはちょうど良い距離である
一方、陸上競技で最も人気のあるであろう種目である100メートル走は、人の足の速さを測るうえでちょうどよい距離のようです。スタートダッシュしてから徐々に加速をしていって、最高速度に達した速さを測ることができるため競い合った際にも差が出やすいそうです。
50メートル走は、速い人だとほとんど同じようなタイムになってしまい順位を上げづらいといった点もあるようです。
50メートル走の日本記録と50メートル走 世界記録は何秒なのか
50メートル走には世界記録と日本記録があるようです。日本では2002年に朝原宣治選手が記録した5秒75が日本記録として残っているようです。2番目は、皆さんも聞いたこともあるであろう陸上選手である、サニブラウン選手の記録した6秒54だそうです。
また、世界記録としては1996年にドノバン・ベイリー選手が記録した5秒56が記録として残っているようです。この記録は室内で計測されているようで、屋外での記録は、世界一記録保持者として知られるウサイン・ボルト選手で、100メートル走を走った際の50メートルを経過したときのタイムが5秒47が最速となっています。
女子の50メートル走 世界記録と日本記録はどうなっているのか
女子の世界記録は、1995年にロシアのイリーナ・プリワロワ選手が記録した5秒96です。日本記録では、1985年に鳥山女校の教員である小西恵美子さんが記録した6秒47が記録として残っています。
男女の記録を比べてみると、約1秒ほど記録に差が出ているようです。いくら瞬発力の勝負になろうと男女の差というものは出てしまうようですね。
しかし、女子でも5秒台や6秒台で走れるというのは、個人的にはとても驚いています。
体育で測定するタイムはあてにはならない
世界と日本の記録を見て「あれ?」と思った方も多いことでしょう。みなさんが体力テストなどで50メートルを走った際、速い人だと似たようなタイムになった人もいるのではないでしょうか。甲子園野球の際にも、世界レベルの記録を持った野球球児がいたりもします。しかし、体育などで50メートル走を測定する際は手動での測定になります。
手動計測では、多少のフライングや計測する人が早めにストップウォッチを止めたりすることもあり、機械計測よりもタイムが早くなります。約0.3秒から0.5秒ほど手動計測のほうが速いそうです。
日本人の50メートル走の平均タイムは?
社会人の人は50メートル走なんて測る機会はもうないと思いますので、皆さんが部活などに打ち込んでいて体力的にも全盛期だったであろう高校生の平均タイムを調べてみました。
男子は7秒34、女子は9秒11が50メートル走の平均になっているようです。世界と比べてみると、いかに記録保持者がすごいことかが分かりますね。
まとめ
今回は50メートル走が陸上競技の世界大会の種目にないのはなぜなのか、と50メートル走世界記録と日本記録について解説してきました。50メートル走は競技として争うのが難しい点や、競うのが速さではなく瞬発力が大きくなってしまうなどの理由があることが分かりました。また、世界記録は日本記録と比べて別格の速さなんだということも知ることができました。
これからもし、50メートル走を計測する機会があったらぜひこの記事を思い出してみてくださいね。