大谷翔平選手とマイク・トラウト選手との対戦で決着というドラマのような結末で幕を下ろしたWBC第5回大会。吉田正尚選手や村上宗隆選手、岡本和真選手ら侍ジャパン メンバーの豪快なホームランや大谷選手やダルビッシュ有投手、山本由伸投手らの圧巻の投球が印象に強いですが、それらを支えていたのは侍ジャパンの好守備や好走塁です。
そこで今回は影で侍ジャパンを優勝に導いた好守備、好走塁をまとめていきます!
侍ジャパンが見せた好守備、好走塁
好守備①:ラーズ・ヌートバー選手(3月9日 中国代表戦、3月10日 韓国代表戦)
東京ドームで行われた予選ラウンド1,2試合目で「初の日系侍」ラーズ・ヌートバーが好守備でチームに勢いをもたらしました。
まずは9日に行われた中国代表との試合です。
3回表1死ランナーなしの場面で迎えた中国代表の8番打者、羅綿駿の打球がセンターとセカンドのちょうど中間への小フライとなります。ヒットとなりそうな打球でしたが、ヌートバーがセンターから猛チャージを決行、最後はスライディングでキャッチしアウトをもぎ取るとともにチームに流れとガッツをもたらしました。先制点をあげており、大谷の好投もありリードしている展開ではあったものの、初戦でチーム全体が浮き足立っていたこともありこのプレーは大きなプレーになりました。
続いては翌日に行われた韓国代表との一戦です。
ダルビッシュ有が先発するも3回に2ラン本塁打を含む3失点、その裏直ぐに逆転をし、日本が1点をリードして迎えた5回にまたしてもヌートバーがチームを救い、勝利を決定づけるプレーを見せます。
一死一塁から金河成が左中間へ打球を放ちます。このフライにセンターから猛然とダッシュし、頭から飛び込んで地面ギリギリで捕球しました。ちなみに、続く打者が二塁打を放ったため、ヌートバーの好捕がなければ同点に追いつかれていました。そう言った意味でもこのプレーが結果的に13-4の大勝を呼び込んだと言っても過言ではありません。
好守備②:岡本和真(3月16日 イタリア代表戦)
イタリア戦最大のヒーローと言えば、3回裏に豪快なスリーラン、5回裏にも2点タイムリー二塁打を放ち、2打数2安打2四球5打点と圧巻の活躍を見せた岡本和真です。そんな岡本の好結果を導いたのは2回表の守備で見せたファインプレーだとも言われています。
2回表一死の場面で一、二塁間を抜けそうな打球を逆シングルでつかむと、ベースカバーに入った大谷への送球まで軽快な動きをみせました。
所属するジャイアンツでは三塁を守る岡本ですが、WBCでは村上宗隆がサードを守るため、ファーストとして出場していました。また、大会前の強化試合ではレフトを守ったように、「サード以外」での役割が求められており、それを難なくこなしていました。
ちなみに、岡本が使用しているファーストミットは2013年大会で大会ベストナインにも選出された井端和弘氏が使用していたものだそうです。主に二遊間を守り、守備の盟主と呼ばれた井端氏から譲り受けたミットということもあってか、普段つかないポジションでも難なくこなしていましたよね。
好走塁:周東佑京(3月21日 メキシコ代表戦)
これまでは好守備を取り上げてきましたが、最後は好走塁についてご紹介します。
もはや紹介不要かもしれませんが準決勝のメキシコ代表との村上宗隆のサヨナラタイムリーでホームを踏んだのが周東佑京です。
1点ビハインドの9回裏侍ジャパンの攻撃、大谷が二塁打で出塁すると続く吉田正尚が四球で出塁。そこで周東の出番が訪れます。1ボール1ストライクからの3球目、村上がメキシコ代表の守護神ガエゴスのストレートを一閃。打球はセンター後方のフェンスに直撃します。打球の行方を確認した大谷が同点のホームイン、その1秒後、最高速度33.8キロ/時を記録した周東がホームへ滑り込み、逆転サヨナラで試合を決めました。
最後に
今回は投球や打撃の陰に隠れがちな守備や走塁にフォーカスしてまとめてきました。
今回ご紹介した以外にも準決勝のメキシコ戦で源田壮亮がみせた「源田の1ミリ」など、素晴らしいプレーがありました。侍ジャパンの強みは地味で目立たない守備や走塁を高精度で遂行しているところでしょう。三振や本塁打は見栄えもして、わかりやすいプレーですが、守備や走塁は「神は細部に宿る」ので、そこにも注目してみるとより野球観戦が楽しくなりますよね!